[学級経営]いい授業を成立させるための屋台骨 [教材研究]教師自身の問題解決学習 [単元構想]子どもが輝く授業をつくる道しるべ
だれかの「スゴイ」を、みんなの「スゴイ」にする! 授業づくりと学級づくり「16の仕掛け」 文部科学省教科調査官・小倉勝登先生の初の単著! ------------------------------------------------------------------------
授業時間は45分、しかし、授業の成否はその前に決している!
授業は、決して45分だけで語れるものではありません。いい授業には、必ずその根拠となる背景があるということです。 では、その背景とは何でしょうか?
一つは、学級経営(子どもとのかかわり)です。 “いい学級経営があってはじめて、いい授業が成立する”ということです。子どもとのかかわりがいいから、授業もよくなるという考え方です。 「そんなの、当たり前でしょ?」と言われれば、確かにそうです。教師と子どもたちのかかわりがいいから、子どもたちは安心して自分の力を発揮できる。認め合える学級風土があるから、安心して力を発揮できる。そのとおりです。 しかし、言うは易く行うは難し。そのような学級をつくるのは容易ではありません。ひとえに教師の毎日の取組やかかわりの積み重ねのなせる技だからです。
二つは、教材研究です。 “熱心に取り組んだ教材研究が、先生のいい授業を支える”ということです。学級の子どもたちを思い浮かべながら、子どもたちが興味・関心をもって、楽しく学べるように、思いをもって教材を開発する。その教材の子どもたちに与えるインパクトは、大人の想像を凌駕するものがあります。
三つは、単元を通して子どもの問題解決を描く単元構想です。 “子どもの問題解決的な学習を、見通しをもって描けていることが、いい授業を成立させる”ということです。 この三つの背景を踏まえ、行き着いた授業の本質は、次のとおりです。
授業は、仕掛けにあふれている
授業は、教師の意図的・計画的な営みです。45分の授業を参観しただけでも、その授業に至るまでの、または、その授業中の、教師の緻密な「仕掛け」の数々が見えてくるのです。 たとえば、教師が子供の発言に対して、 「どうしてそう考えたの?」 と問い返せば、子どもは自分の考えの根拠を語り出します。つまり、考えの背景が現れてくるわけです。 これは、教師の意図的な問い返しにより、子どもは自分の考えの根拠を語るようになる、根拠を語らせることで知識を活用する(目の前の学習と既習が結びつく)ようになるのです。
本書では、「学級経営」「教材研究」「単元構想」の三つのバランスのなかに仕組まれている「仕掛け」をたくさん紹介しています。 少しでも現場の先生方の元気と勇気とやる気につながれば幸いです。
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