ねこがミルクを飲んでいると、突然コップが言います。
「おれはおまえのとうさんだ」
これには、ねこもびっくり。思わずコップを落としそうになります。でも、続けてコップは言うのです。
「さあ、なにして遊ぶ?」
こんなこと言われたら、誰だって驚きますよね。だけど、コップのとうさんは本当に遊んでくれます。かけっこから始まり、凧あげやサイクリングをし、山の頂上で気持ちのいい風に吹かれながら、ねこは小さい頃を思い出すのです……。
「コップのとうさん」、なんて不思議なひびきでしょう。ねこを外に連れ出したり、ジュースやココアを飲ませたり、ちゅうがえりを教えたり。ほんの一時の出来事、だけどなんだか二人とも嬉しそう。まるで一枚の絵画の様な、温もりのある風景に包まれて、ねことコップの忘れられない時間を描きます。
こんなに身近にあるものが、自分の心を満たしてくれるかもしれない。少し嬉しい気持ちにしてくれる1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ねこがミルクをのんでいると、とつぜんコップがしゃべりだしました。「おれはおまえのとうさんだ」。ねこはびっくりして思わずコップを落としそうになります。でも、コップのとうさんと楽しく遊んでいるうちにいろんなことを思い出して…。
ねこがコップでミルクを飲んでいると、
「おれはおまえのとうさんだ」
と、いきなりコップが喋り出すという、不思議な始まりをします。
コップがねこのとうさんって??て感じなのですが、とうさんと名乗るコップは、いっしょにあそぼうと誘います。
そのうち、ねこは、こんな風に昔とうさんと遊んだことを思い出します。
おとうさんは亡くなっている、ということなのかな。最後は、何だか少し切なくなりました。
とても素敵なお話なんですが、お父さんが、こねこのことを、ずっと、「ねこ」と呼んでいたことが気になりました。そこは名前で呼んでほしかったなぁ。 (tori.madamさん 30代・ママ 女の子7歳、女の子4歳)
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