迎合か抵抗か? 嫌イスラーム、新型コロナ・パンデミック、 紛争、「テロとの戦い」、フェイク報道……。 報道の中で展開される宣伝戦と混迷の世界情勢を読む!
メディアは報道だけではなく、世界に分断をつくりだす宣伝、すなわちプロパガンダにも使われる。 独裁国家や全体主義的な国のメディアは言うまでもなく、欧米、日本の報道でも程度の差はあれ、その社会の権力に都合のよい報道がされることがある。 さらに、近年のSNSの普及でこうした宣伝戦は巧妙を極める一方となっている。 戦争、難民、移民排斥、嫌イスラーム、大災害やパンデミックによって世界が未曽有の分断の局面にある今、事態をどうとらえるか? そこで重要なのは情報を読み解く力、すなわちメディア・リテラシーだ。 宣伝戦を見抜き分断を超える視座を得るため、激動の世界情勢を俎上(そじょう)に、いかに情報に接し、読み取るかを提言する。
◆主なトピック◆ 第一章 世界の分断を俯瞰する 第二章 「テロとの戦い」が世界を分断した 第三章 ヨーロッパの分断、ヨーロッパとの分断 第四章 トルコ・バッシング 第五章 中東の独裁者たちとアルジャジーラのメディア戦 第六章 市民のメディアが持つ分断修復の可能性 第七章 パンデミックがもたらす新たな分断
◆著者略歴◆ 内藤正典(ないとう・まさのり) 1956年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学分科卒業。博士(社会学)。 専門は多文化共生論、現代イスラム地域研究。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。一橋大学名誉教授。 『イスラム戦争 中東崩壊と欧米の敗北』『限界の現代史 イスラームが破壊する欺瞞の世界秩序』(集英社新書)、『外国人労働者・移民・難民ってだれのこと?』(集英社)、『イスラームからヨーロッパを見る 社会の深層で何が起きているのか』(岩波新書)他著作多数。
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