1950年代にはじまった第一次人工知能ブーム、1960年代からの第二次人工知能ブームに続く第三次人工知能ブームを経た現在、ロボットやAIをめぐる期待論と脅威論は噛み合うこともなければ、歩み寄ることすらもない。この断絶を挟んだ両立場の溝を埋めるために、人文学にできることは何か? ・ロボットのデザインに求められる「弱さ」 ・AIが惹起する恐怖 ・労働、所有、責任概念の変貌 ・AI論が忘却する哲学的思考 ・AI論で問われる法の陥穽 ・AIの導入が目指す「未来の教室」etc. 現状の技術の正確な理解をふまえ、思想史、社会科学、教育学など多角的な視点から、人新世におけるロボット=AIと人間のスリリングな共生──この10年の社会ビジョン──を具体的に提言する人文学の挑戦。
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