「ぼく、今日からひとりで寝るんだ」 そんなシチュエーションが、きっとどの家庭にもやってきます。
お父さんとお母さんと一緒のときはなんともないのに、ひとりぼっちになった途端、急に不安になる。ギュッと目をつぶって、「こわくない こわくない…」と思えば思うほど、恐ろしいことが次々と浮かんでくる。 そんな、幼い頃、誰もが感じたことのある、ほの暗い夜のこわさを描いた作品です。
作者の下田昌克さんは、画家として絵本や挿絵などで活躍される一方、帆布を使った恐竜作品でも知られる、多彩なアーティスト。 ひかりと闇のコントラストを、迫力のあるイラストで表現しています。
想像力が豊かな子どもだからこそ、夜のこわさが増すのかもしれません。 でも大丈夫。お父さんも、お母さんも、ちゃんと近くにいてくれます。 こわいのは自分だけじゃない。 ひとりで寝るのも、あせらずゆっくりでいいのかも。 そんな風に、子どもの気持ちにやさしく寄り添ってくれるおはなしです。
(出合聡美 絵本ナビライター)
ぼく、今日からひとりで寝るんだ。でも寝ようとすると、部屋の中に何かの気配。なんにもいないよ、いるはずないよ。ぼくはギュッと目をつむり、再び眠ろうとするけど……。 子どもの頃、誰もが感じたことのある、夜の気配。お母さんやお父さんと一緒の時は平気なのに、ひとりになると夜がいたずらを仕掛けてくるみたい。さて、本当にひとりで眠れるのかな?
夜、暗いときの恐怖感や寂しさって大人になっても感じます。
見開きの絵で右ページにベッドに横たわる僕がいるという構図は基本変わらず、両親がいて部屋が明るいときと一人ぼっちで暗くなったときの対比が分かりやすいです。そして暗くなったとき、部屋をよーく見てみると発見があって一層楽しめます。文章は少ないですが、絵の雰囲気や男の子の表情から、夜を迎える不安感がよく伝わってきます。
1歳10ヵ月の息子も気に入ったようです。
いつかは一人で寝るんだから、少しでも不安なうちは一緒に寝ようね。 (marimeさん 30代・ママ 女の子3歳、男の子1歳)
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