本書は、広島市立大学国際学部多文化共生プログラムの講義担当者を 中心に、本学における研究・教育を通じて蓄積した知見を成果として 公開し、相互の啓発と議論を促進し研究の発展に寄与することを 目的とする。
執筆者の専門が社会学・文化人類学・地域研究・哲学・ジェンダー研究・ 美術史といった人文科学系の多彩な研究分野にわたる点を強みとし、 エスニック・マイノリティに限定されない社会的・文化的なマイノリティ、 辺境・周縁性といった概念を含めるものとする。 個別の〈マイノリティ〉事象を扱いながらも、 マイノリティをマイノリティならしめている磁場や マイノリティ・マイナー性の概念それ自体を問う姿勢を根底におき、 そうすることで対象分野を超えた議論を生み出す足がかりとしたい。
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