かこさとしさん「幻の絵本」の日本語版!
日本の子どもたちに愛されてきたあそびとそのつくりかたを、愛らしい絵と言葉で綴ったかこさとしさんの本『Chock Full o’ Fun』がアメリカで発売されたのは1968年のこと。少しの工夫で身の回りのものが世界にひとつの『てづくり おもしろ おもちゃ』になる楽しさや喜びは、世界共通。今も昔も変わりません。50年の時を経て、その幻の絵本を翻訳し、はじめて日本で出版することになりました。永遠に受け継ぎたい、かこさとしさんからの絵とあそびのギフトです。
おひるねタンポポ/ミカンのタコちゃん/おとぎの国のぐるぐる/高速回転車/空とぶ円盤 ほか。1冊に28のあそびを収録。
【編集担当からのおすすめ情報】 「たのしいことがぎゅっとつまっている!」 という意味の『Chock Full o’ Fun』は、まさにあそびの玉手箱のような本。海外向けに描き下ろしたかこさとしさんの絵や本の持つ独特な雰囲気も、唯一無二のものなので、できるだけオリジナルに忠実に復刻を試みました。より原本の雰囲気を味わえる英語版も同時発売しています。
初版限定の英語・日本語の二冊を特別な箱に入れた『はこいりえほん てづくり おもしろ おもちゃ』もおすすめです!
ブックデザインは、cozfishの祖父江慎+脇田あすかさん。
自然の草花や、身近なもの(みかんの皮や、手袋、厚紙など)を使って、自分で遊びを手作りする絵本。
2021年刊行。(1968年にアメリカで英語で出版されたものを、日本語版にして復刻)
テレビゲームや、スマホがなかった時代に、子どもたちがいろんな身近な素材を工夫して、楽しい遊びをしていた様子がよくわかる一冊。
農村出身なので、わら細工や草笛などはやったことがあるが、けっこう知らない遊びも多かった。昭和世代は、この絵本の遊びをいくつか実際に、現役の子ども時代に経験したことがあると思う。
印象に残ったのが、みかんの花火。
みかんの皮を絞って汁を飛ばし、蝋燭の火にあてると、火花が散る遊びが、スパイシーだ。「火はあぶないので、大人と一緒に遊んでください」と注意書きがしてある。
きっと大人は一緒に遊んでくれないどころか、本を取り上げられそう(うちの大人は、こういうのに理解が全くない)だが、子どもはこういうちょっと危険なかほりのする遊びをやたらにやりたがったりする。
本書の遊びを見ながら、昔のことを思い出し、マッチでイタズラしていてばあさんに派手に怒られた、とか、タンポポをいろいろに加工して遊んだ、とか、懐かしい気持ちでいっぱい。
便利な道具を使った近代的な遊びもよいものだが、こういう素朴な遊びもなかなか素敵だ。
よく考えられていると感心するものも多い。こういう体験を重ねて、考えたり学んだりして、成長していくのだなあ。 (渡”邉恵’里’さん 40代・その他の方 )
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