この絵本の作者M.B.ゴフスタインさんはアメリカの絵本作家です。
1940年に生まれて、2017年の誕生日に77歳で亡くなっています。
この作品は1968年のものですから、ゴフスタインさんの初期のものだといえます。
ゴフスタインの絵本はシンプルでありながら柔らかな線で描かれていて、日本でも多くのファンがいます。
この作品は女優の石田ゆりこさんが翻訳を担当して話題になっています。
この絵本は5つのお話でできています。
海のむこうで木の人形をこしらえているおじいさんのお話。
ちいさなリスのお散歩のお話。
ソフィーという女の子がピクニックに行って、お弁当を食べるお話。
海を流れていく大きなブーケのお話。
そして、丘の上の風車のお話。
物語でもないので、起承転結があるわけではありません。
海を流れていくブーケのお話などは、わずか2ページしかありません。
それでも、なんだか深い短編集を読んだような気分にさせてくれます。
これは石田ゆり子さんが「あとがき」にも書いていた話ですが、ゴフスタインさんは子供の頃本というものがあまりにも素晴らしいので、人間が作ったものだとは思わなかったそうです。
本はきっと神様がくれたもの、でも大きくなって本は人が書いたものだと知って、本を書く人になりたい。そう思ったそうです。
でも、ゴフスタインさんの絵本を読むと、もしかしたらやっぱり本は神様が作ったものかもと思いたくなります。
そういえば、石田ゆり子さんの「あとがき」は、「どうか明日も明後日もその先もずっと健やかな毎日でありますように」と、お祈りのように終わっています。 (夏の雨さん 60代・パパ )
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