ながちょんまげ

とある国のおしゃれな好きのとのさま。今日は床屋でツルのちょんまげを結ってもらっています。その時、ふと外を見ると、あちこちに長いちょんまげのさむらいたちがいます。最近まちでは長いちょんまげが流行っているのだとか。とのさまはその「ながちょんまげ」にしたいと考えました。

「みなのものさっそくとりかかるのじゃ」
とのさまは家来たちに軽くて丈夫な竹をたくさん用意させました。髪の毛の足りないところは、竹をつないで長いちょんまげにしようというのです。家来たちは 大忙し。とのさまのために長いちょんまげをせっせと準備します。

「くにいちばんのながさにしてくれ」と命じたちょんまげは、空にも届く勢いです。これにはとのさまも大満足。しかし、「えっへん！えっへん！」とした自慢したその勢いで、ながちょんまげはお城の外へ倒れてしまって……。

作者のたけだますみさんは、子育てをしながら絵本やイラストを描く作家さんです。面白くて笑える話が好きというたけださんが作る物語は、奇想天外でとびきりユーモラス。ドキドキワクワクが止まりません。

さて、とのさまはちょんまげを引っ張られ、勢いよく空へと持ち上げられました。とのさまはどうなってしまうのでしょうか？スケールの大きい、予想外の展開にドキドキ！目が離せませんよ。

（出合聡美  絵本ナビライター）

とある国の おしゃれ好きな とのさま。 町で 最近 はやりの 長いちょんまげに 興味津々。 さあ、お城の 家来たちは 大忙し。