入院中のおかっぱあたまの女の子。お見舞いにくる子たちは、ポニーテールにリボンを結んだり、きれいに三つ編みしています。
「リボンはむすべないし、カールもない。みつあみだってできない」 「でも、いいもん。ふん ふん」
女の子がそう思うのには理由があります。それはおかっぱあたまにとびっきりのひみつがあるから。なんとトカゲちゃんがおかっぱあたまに住みついていているのです。トカゲとかっぱは昔から友だちで、どうやらトカゲちゃんが「おかっぱ」と「かっぱ」を間違えたことがきっかけで、いっしょにいることになったらしく……。
作者のこがしわかおりさんは、児童書を中心に数多くの作品の挿絵を担当されている画家さん。作・絵の作品にも『せんたくかごの ないしょの はなし』(あかね書房)、『ツツミマスさんと3つのおくりもの』(小峰書店)などがあり、読者をいつもやさしく不思議な世界へ誘ってくれます。
入院中の女の子が、決してふさぎ込むことなく、周りを巻き込みながら明るく過ごす様子は、とても温かい気持ちにさせてくれます。みんなの頭をおかっぱにして、「おかっぱあたまってさいこうでしょ」とウインクする姿は、最高にキュートでハッピーです。
(出合聡美 絵本ナビライター)
そう、あたし、おかっぱあたまだよ。 カールもみつあみもできやしない。 でも、いいもん! だって、 あたしのおかっぱにはね、、、ふふふ。 ひみつのね、、、
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