▼科学技術文明において、現在世代は未来世代を滅ぼすことができる。 アウシュヴィッツの惨禍を生きた哲学者が描く、テクノロジー時代の新たな倫理学
▼気候変動、ゲノム編集、放射性廃棄物――
テクノロジーは、遠い未来にまで影響を及ぼす。 したがって私たちは、まだ生まれていない未来世代に対し、責任を負わなければならない。直感的にはそう思える。 しかし、存在していない者とは合意形成ができず、またそこに人権を認めることもできない。 ここに、ハンス・ヨナスの提唱した、まったく新しい未来倫理学の考え方が呼び出される。 ユダヤ人として二〇世紀を生き、自ら戦場に立った彼は、なぜ「未来への責任」を見出し、そしてどのような思索を重ねたのか。 気鋭の若手による、ヨナス研究の新たな地平。
|