20世紀前半、黒人女性学者がカリブ海宗教研究の旅に出る。秘儀、愛の女神、ゾンビ――学術調査と口承文学を往還する異色の民族誌。解説 今福龍太
=== 私たちの世界には生者と死者がいる。だが、ハイチには生者と死者がいて、それからゾンビがいるのだ――。20世紀前半の人類学者ハーストンは、米国南部の黒人民話の調査を経て、カリブ海域へフィールドワークの旅に出る。その成果たる本書は、習俗や秘儀等の民族誌的記述のみならず、ハイチの歴史や政治批評、調査体験談が縦横に挿入され、最後は音楽とダンスの始原についての短い神話で締めくくられる。ハーレム・ルネサンスの黒人作家としても知られる彼女の手法は、学術研究と口承文学のあわいを往還し、「遠い異文化の客観的記述」としての文化人類学に異議を投げかけた。〈異色の人類学〉の著作として名高い書。解説 今福龍太 ===
――ここには生者と死者がいて、それからゾンビがいるのだ 極彩色の信仰世界を描く異色の人類学
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【目次】 序文 イシュメイル・リード 第一部 ジャマイカ 第一章 雄鶏の巣 第二章 カレー・ゴート 第三章 猪狩り 第四章 通夜の歌 第五章 カリブの女たち 第二部 ハイチの政治と人々 第六章 国家の再生 第七章 次の百年 第八章 黒いジャンヌ・ダルク 第九章 ルコントの死 第三部 ハイチのヴードゥー 第十章 ヴードゥーの神々 第十一章 ゴナーヴ島 第十二章 アルカーエと、その意味するところ 第十三章 ゾンビ 第十四章 セクト・ルージュ 第十五章 パルレー・シュヴァル・ウ(わが馬よ、語れ) 第十六章 墓場の土、その他の毒 第十七章 ドクター・リザー 第十八章 神とホロホロ鳥 補遺 ヴードゥーの神々に捧げる歌/雑歌
あとがき ゾラ・ニール・ハーストン、「黒人の語り口」 ヘンリー・ルイス・ゲイツ パーティの花形 ヴァレリー・ボイド 訳者あとがき 文庫版訳者あとがき 文庫版解説 いくつものルネサンス 今福龍太
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