ずっと会わないと、ママの顔わすれちゃうよ。
小学校5年生の美羽のつぶやきが切なく胸に迫ります。 家庭の事情で児童養護施設にいる美羽を軸に展開していく物語。 同じ施設にいる同い年の誠や、美羽の母、そして母の新しいパートナー・・・。
「あのさぁ。キラキラした青いトカゲを見たら幸運がまいこむらしいぞ」
誠の言葉に導かれるように、美羽の前に新しい世界が開かれていきます。
・家庭の事情で、就学前から施設に入っている、小五の美羽さんです。 パパはママと別れて出ていき、ママは病気に。 美羽さんは、児童養護施設へ引き取られます。 屋っと面会にきたママは、知らないおじさんと一緒で、赤ちゃんを抱いていました。 美羽さんを引き取るというけれど、大変そうなお母さんで、読者は心配になります。 でも、それは作者の悪戯で、美羽さんは幸せになっていきます。 小五同士、施設で仲良くなった誠君とも、劇的な再会。 構成と叙述がしっかりしていて、充分楽しめます。 (楠木しげお・詩人・歌人・児童文学者)
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