世界中の人々が使っている電気。暗い夜に灯りをともし、部屋をあたため、洗濯やお風呂に使われたり、遺跡をライトアップしたり。でも、ちょっと待って。自然からの贈り物である大切な電気だからこそ、1年に1回、1間だけ電気を消して、地球温暖化のことを考えてみませんか?
アメリカ・カリフォルニア在住の作家、ナネット・ヘファーナンが、あるとき偶然、ゴールデン・ゲイト・ブリッジの消灯に居合わせ、世界的な環境アクション「アースアワー」を知ったことから、生まれた絵本。
2007年にオーストラリア・シドニーで始まった「アースアワー」は、当初は小さなキャンペ―ンだったそうですが、次第に賛同を得て今や国際NGO団体WWF(世界自然保護基金)主催、多くの国で実施される、世界最大級の消灯アクションとなっているそうです。
シドニーのオペラ・ハウス、インドのタージ・マハル、フランスのエッフェル塔、アメリカのゴールデン・ゲイト・ブリッジ。次々続く消灯リレーに、あなたも本書を読んだら参加してみたくなるかも。
毎年、春分に近い土曜の夜、午後8:30に、電気を消す。それは、子どもにとって最初はただおもしろいイベントかもしれません。でも、地球の未来を想像する1時間、世界の人々とつながっていることを感じる1時間は、子ども心に大きなものを残してくれそう。電気のない夜や、ろうそくのあかりも、美しいと感じられる絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
毎年、春分に近い土曜日の夜8時30分に、アースアワーのために世界中の何百万人もの人々が明かりを消します。それは日付変更線に近い南太平洋諸国から、地球をぐるりと1周する「消灯リレー」。2007年、オーストラリアのシドニーで、地球温暖化防止のちいさなキャンペーンとして始まったこのこころみは、現在では世界自然保護基金(WWF)が主催し、7大陸ほとんどの国々で実施される国際的なイベントになりました。 シドニーのオペラハウス、万里の長城、エッフェル塔、自由の女神、そして東京タワー――。その街のシンボルの明かりが消え、このとりくみが生まれたシドニーでは、レストランや家庭のあかりも消えるのです。 1年に1回、たった1時間ではたりないけれど、「1年をとおして電気を節約し、わたしたちの地球を守る」という誓いを胸に、心をひとつにして、アースアワーの60分過ごします。 子どもたちに環境問題を身近に感じてもらうための活動をしている筆者は、このイベントに偶然出くわし、強い感銘をうけました。そして「アースアワーの精神を100万人のひとと分かち合おう!」と心に誓います。その誓いを実現させるために生まれたのがこの絵本です。
光の描き方にとてもひかれました。
窓の灯り、街の夜景、ピラミッドの照明、暖かさを感じる浴室など。
なので、明かりを消した時との対比が際立って、真っ暗な世界の絵がとても美しく感じられました。
アースアワーというイベントがあることを初めて知りました。
今まで絵に興味を持つことがなかったのですが、この本の絵が持つメッセージの大きさ、強さには胸を打たれました。 (よし99さん 50代・その他の方 )
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