?情報の伝達が容易になり、価値観や文化の多様性が身近になったいま、「言葉に縛られる」ことは、かえって共感をさまたげる時代になっているのではないか? あるほなつき ( alfonatski ≠ Alfo + Natski ) は、2015年から、あるほ( Alfo ) と、なつき( Natski ) のユニットとして表現活動を開始。2017年からは絵本を自身で製作、製本、出版するRooTsを立ち上げ、あるほなつき(AlfoNatski)としての作品を発表。現在は、二人で一つの作品をつくる、あるほなつき(alfonatski)として活動している。 絵本の製作においては、「言葉」の解釈の違いが大きな壁になる。それぞれの育ってきた環境も異なるし、イントネーションの違いや、行間の読み取り方も違うのだ。さらに、「言葉」を多くの人へ共感をともなって伝えようとする事は容易ではなかった。それでもお互い妥協せず、一つの結果を出す為に、答えが出るまで議論し、お互いが納得できる「知恵」を探し出してきた。 本作、『あやふやのまま』は、2019年に出版した『さがしています』のパラレルワールドでのお話である。2019年に16枚の組み写真を作り、そこにそれまで描きためていた絵を重ねた。その作品の下段で作られたストーリーが『さがしています』であり、2年の時を経て上段で『あやふやのまま』の製作を開始した。 言葉の解釈の違いを、現実に目の前にある景色と置き換え、それぞれの解釈の違いが、どのように繋がっていけるのかについて考えた。 あやふやのまま あとがきより
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