静かな山の中でウサギのミミが水遊びをしていると、大切にしているおもちゃのアヒルが川に流されてしまいました。「おにいちゃん、たすけて!」ミミとププとペペの3人は急いでボートに乗り込み、おもちゃのアヒルを追いかけます。
深い森をどんどんくだっていくボート。川の流れが早く、簡単には見つかりません。緑の牧場までくると流れは少し緩やかになりますが、それでも気がつかず……。川は大きな湖、滝、街を抜け、大きな海まで続いていて、そこをどんどんと進むことになります。
実はページの中をよくよく探すと全てのページにおもちゃのアヒルを見つけることができます。3人と一緒に川下りを体験ながら、絵探しを楽しみましょう。よく似ているアヒルもいるので要注意!目印は赤いマフラーです。
作者のマグナス・ウェイトマンは建築家でもある絵本作家。緻密に描きこんだ軽やかなイラストが魅力です。オランダのロッテルダム在住ということで、この絵本の中にも運河や風車やチューリップなど、オランダらしい風景が多く描かれています。他の作品では、ビーバがいろんないきものの家を探して気球で世界一周する『ビーバのそらのたび』(フレーベル館)があります。今回の絵本の中にも、そのビーバが乗っていそうな気球を見つけましたよ。
おはなしを読み終わっても、お楽しみはまだまだ続きます。表紙見返し部分に他の脇役たちの紹介が。これらのキャラクターたちもページのあちこちで活躍していますので、ぜひチェックしてくださいね。
(出合聡美 絵本ナビライター)
ウサギの子が叫びました。「おもちゃのアヒルが流されちゃった」おもちゃのアヒルは渓流を下っていきます。「たいへん、早く追いかけないと」ウサギの兄弟は、ボートで追いかけていきました。おもちゃのアヒルを探して、森、田園地帯、湖、街……、海まで続く川の旅。さあ。おもちゃのアヒルは、どこにいるのかな? ウサギの兄弟といっしょに探しましょう。
かわいい表紙にひかれて読んでみました。タイトルどおり、アヒルちゃんを追いかけていく絵探しが楽しめるストーリーです。細かく描きこまれているので、すみずみまで楽しいです。そして、読み終わったら、今度は見返し部分を参考に、何度でも、探しながら楽しめるつくりになっていて、おもしろいです。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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