うさぎのさとうはねるくんは、ある日うさぎになりました。それからずっと、うさぎとして暮らしています。
ある朝、カーテンの隙間が細く光っているのを見つけたさとうくん。細い光をそっとつまんで取り出すと、そのひかりの棒でコーヒーをかき混ぜます。気づくとさとうくんは木漏れ日の森の中に。ここでもさとうくんはひかりの棒を使って木漏れ日を集めたり、川底のキラキラをすくったり。ひかりの棒がだんだんと短くなり、なくなってしまうまで、あらゆる方法で日常を楽しんでいきます。
脱力系ファンタジーともいうべき不思議な魅力を奏でる「うさぎのさとうくん」シリーズの4作目。なんと8年ぶりの新作です。今回は、いつもより少し長いお話が2つ。朝日と共にゆったり過ごすさとうくんの一日を描いた「あさひ」と、さとうくんの部屋が海に浮かぶ小さな灯台となった「とうだい」。どちらもさとうくんが不思議な力をもつ道具を手に入れたところからお話が始まります。
朝日と共にコーヒーを飲むこと。木漏れ日を浴びてひなたぼっこをすること。波の音を聞くこと。夕焼け空を眺めること。星空を見上げること……。さとうくんが起こす多くの奇跡は、私たちの普段の何気ない生活の中にこそ幸福な時間があると気づかせてくれます。大人も子どもも、さとうくんと一緒に、素敵な時間を楽しんでみませんか?
(出合聡美 絵本ナビライター)
うさぎのさとうくんは今日も元気です
うさぎのさとうはねるくんは、ある日うさぎになりました。それからずっと、うさぎとして暮らしています。 カーテンのすき間から入る光の棒を取りだして、コーヒーをつくったり、木洩れ日を集めたり、夜露に灯りをともしたり。光の棒が短くなってなくなるまでのお話「あさひ」と、光の箱を灯台に取りつけて、チカチカさせると起こる不思議なお話「とうだい」の2編を収録しています。
【編集担当からのおすすめ情報】 『うさぎのさとうくん』『うさぎのさとうくん つきよ』『うさぎのさとうくん こうちゃのうみ』に次ぐ、なんと8年ぶりの新作です。既刊3巻は絵本雑誌『おひさま』の連載をまとめたもので、かわいくて少しシュールな世界観は根強い人気を持ち、海外の翻訳版でも話題を集めています。 待望の4巻目は全て描き下ろしの2編のお話を収録、少しシュールな世界観はそのままに、子供から大人まで、広く楽しめる1冊となりました。
シリーズとは知らず、この巻から読んでみました。カーテンのすきまのひかりをそっとつまんで……という最初の場面から、一気にひきこまれました。想像の世界が、なんとも魅力的。何がおこるのかドキドキしながら読み進めました。絵もほんわかきれいでかわいくて、素敵なファンタジーでした。他の巻も読んでみたいと思います。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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