粘土版からデジタルデータまで
アーカイヴズは、人びとの活動にともなって作成されたさまざまな記録資料を保存する営みであり、社会の記憶装置として、また後世のための歴史資料として重要な役割を果たしてきた。「そうした文書はそもそも歴史物語を記すために作られたものではないため、(中略)より正確かつ事実に即していると見なすことができる。ただし、この仮定を裏づけるためには、注意深い資料批判が必要であり、それによって文書の真正性を立証できなくてはならず、さらに文書の出所をたどって元の文脈の中に位置づけることができなければならない」(本書「序」より)。 本書は、ローヌ県立リヨン・メトロポール文書館長である著者が、その起源、歴史、使命、機関、所蔵資料、教育制度、業務内容、現代の課題などを概説。アーカイヴズを理解するための格好の入門書。
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