事件が起こったのは、東京・渋谷のスクランブル交差点。 ここで信号無視をしたらどうなるか……ある一人の若者が、歩行者信号が赤になっても横断歩道のど真ん中に立ち、混乱する車と危険な道路の様子をネット動画で生配信し始めました。高笑いして中継を続けていた若者、すると突然!体から黒い闇を放ち、苦しみながら木になってしまったのです。 さらに、その様子を面白がってスマートフォンで撮影していた周囲の人たちまでも腕が枝に、足が根っこになって次々と木になっていき…… 「渋谷のど真ん中に、森が現れた!」衝撃のニュースが世の中やネットを行き交います。
「鬼太郎さんへ。町の人が木にされてしまい、困っています。どうか助けてください。」 ゲゲゲハウスに届いた一通の手紙。その送り主・まなと共に、鬼太郎と目玉おやじが渋谷へと駆けつけました。 森と化した人々は、人間の血を栄養分として育つ「きゅうけつ木」になったこと。そのタネを人間に植え付ける妖怪の封印を、若者が剥がしてしまったこと。全ての謎が解明されそうになったその時、妖怪の気配に反応する鬼太郎の髪の毛がアンテナのように立ちました。 突如目の前に現れたのは、ひとつ目妖怪の「のびあがり」。目から放つその光線を浴びると、身動きが取れなくなってしまうのです……!
『ゲゲゲの鬼太郎』のおはなし絵本シリーズ、みどころはやっぱり、妖怪と鬼太郎の対決シーン。お互いの能力を駆使して真っ向からぶつかる姿はアニメさながらの迫力で読み応え満点!アニメを観る前でも、観た後に読んでもおはなしの世界に飛び込めます。 妖怪たちが出現するその背景にあるもの、それは人間たちの心の闇。現代の社会が抱える問題や苦悩がリアルに描かれていて、子どもも大人も共感すること、自分ごととして捉えることが多いのではないでしょうか。 「ーー見えている世界ばかりが世界じゃないぞ。見えない世界というものがあるんじゃ。」 当初、妖怪が見えなかった人間のまなに告げた目玉おやじの言葉はなんだか深くて、胸に刺さります。
原作者の水木しげるさんが2022年で生誕100周年を迎え、新作映画の公開など『ゲゲゲの鬼太郎』の勢いはまだまだ止まらなそう……。 この絵本シリーズも続々と刊行予定です。ねこ娘やねずみ男などおなじみの鬼太郎ファミリーの登場とあわせて、楽しんでくださいね。
(竹原雅子 絵本ナビライター)
●ゲゲゲの鬼太郎「第6期アニメシリーズ」が、原作者・水木しげる先生のお誕生日(3月8日)に待望のアニメ絵本になりました! アニメシリーズの中でも、小学生から大人まで、「お話がとくに面白い!」と大好評だったのが、この「第6期」シリーズです。
●全ページにアニメーションがふんだんに掲載されています。 すべての漢字にルビがふられるので、小さなお子さんでも楽しく読むことができます。対象年齢は小学1年生以上です。
●迷惑ユーチューバーや、ブラック企業問題など、社会問題をあつかった深い物語を楽しめるだけなく、「見えている世界がすべてじゃない」というテーマにそった妖怪の多様性に触れられるシリーズです。
●それぞれのお話の巻末には<妖怪ずかん>を掲載し、妖怪の能力について知ることができます。
●2023年秋、新作映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」公開決定! 2023年は「水木しげる生誕100周年」にあたります。まさにこの年に、ぜひ、ごらんください!
●シリーズは全部で5冊、刊行される予定です。「おはなしゲゲゲの鬼太郎 のびあがり 見上げ入道」は、その1巻目になります。
●シリーズ刊行予定(すべて2023年) 「おはなしゲゲゲの鬼太郎 のびあがり・見上げ入道」発売中 「おはなしゲゲゲの鬼太郎 たんたん坊・山じじい」発売中 「おはなしゲゲゲの鬼太郎 すねこすり・まくら返し・ゆめくりのすずの少女」発売中 「おはなしゲゲゲの鬼太郎 たくろう火・雨ふり小僧・小豆あらい 小豆はかり 小豆ばばあ」9月刊行 「おはなしゲゲゲの鬼太郎 ぶるぶる・貧乏神・座敷わらし」11月刊行
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