近年の新発見や新見解で、旧石器・縄文・弥生時代から白村江の戦い(663年)までの古代日本を俯瞰する。本書を通して読者が「これまでの古代史常識をいったん捨てて再学習する」ことを狙っている。最新研究の成果を紹介して、新しい古代史を提供する。興味はあるがいまだ古代史がよくわからない人のために、現在最も研究が進む5つの観点に絞り込んで、アプローチする。 主な内容は以下の通り。 巻頭インタビュー「日本人はどこから来たのか」 特集1 旧石器・縄文時代の新常識! ●「日本史」の始まりはいつか 捏造に揺れた「旧石器時代」/測定技術が時代区分を変える ●意外と豊かだった縄文人の暮らし なぜ寒冷な東北に縄文文化が花開いたか?/巨大建造物が残る「三内丸山遺跡」/巨大石並ぶ「大湯環状列石」/続縄文文化(前3〜7世紀)とはなにか 特集2 弥生時代の新常識! ●稲作伝来の起源を見直す 土器か稲作か/稲作をめぐる認識の変化/新たな年代観 ●弥生人とは誰なのか? 九州では縄文人が弥生人になった/近畿では渡来人(渡来系弥生人)/人口増加で東漸/環壕集落(西日本から関東)の広がり(最北端の環壕集落は新潟・山元遺跡、青銅器出土の北限) ●吉野ヶ里遺跡(弥生人の大型化していく集落) ●青銅器・鉄器の出現 ●日本各地の大勢力(クニの出現) 2つの顔の卑弥呼像 特集3 日本神話の新常識! ※神話と歴史はリンクしている ●日本神話の大きな流れ 出雲に軸足を置いて @国土創世A冥界下りB三貴神の誕生Cスサノオ追放(出雲神話)D国譲りE天孫降臨F大王の時代 ●イザナキ・イザナミ神話の舞台 淡路島の史的重要性 鉄器製造とかかわる ●出雲神話と歴史をつなぐ「出雲王国と環日本海文化圏」 出雲大社、美保神社、荒神谷遺跡、加茂岩倉遺跡、四隅突出型墳丘墓、出雲神楽など ●国譲りと天孫降臨神話を歴史としてとらえる 特集4 ヤマト建国の新常識! ●神話では九州東漸だが、その実態は? ●初期ヤマト政権の発祥地は「纒向遺跡」 纒向は移民都市だった ●建国にかかわった「吉備王国」「東海王国」の存在 吉備王国の造山古墳(国内4位の前方後円墳)/九州との交易で栄えた/東海王国の東之宮古墳 ●前方後円墳の誕生と広がり 前方後円墳の普及と建国の流れ 特集5 渡来人の新常識! ●渡来人の痕跡を徹底分析する 古代の朝鮮半島と日本の関係 ●5世紀の工人集団がもたらした技術革新 旧渡来系豪族 ●白村江の敗戦で増大した渡来人 新渡来系豪族 国家運営の中での渡来人が果たした役割/新旧渡来系の特徴とその後 特別コラム 古代人の死生観を覗く/古墳新情報
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