中欧、東欧、中東欧…。ドイツとロシアのはざまには、その地域に住む人々が自分たち自身の名称としても、「この地域」を一言で到底言い表せないほど多様で複雑な世界が広がっている。「中欧」という呼び名を持つ、多様で多彩な文化、古代から中世・近世にかけてヨーロッパの諸帝国と結びついた、深い思想や宗教的特徴を持つ、華やかな地域。あるいは「東欧」としての、近代から現代にかけて周辺諸大国の被支配地域・被支配民族として存在し、だからこそ、自由と解放、変革と自立、独自の道を求めて、繰り返し、果敢に立ち上がり、歴史に残る諸事件を刻んできた、独立心旺盛で、勇猛果敢な地域・民族・人々。本書では23章・340項目をかけて、この多彩で豊かな地域の全貌を紹介する。テーマごとの中項目でどこからでも読みやすい事典。
|