戦国時代、なぜ、主殺しは引き起こされたのか?
<主な内容> はじめに 下剋上の特質は何か 新たな身分秩序の形成/中世に頻繁だった
第一章 長尾景春の叛乱と挫折 ――下剋上の走りは、太田道灌の活躍で鎮められた 転換をもたらした享徳の乱/「遷代の論理」と「相伝の論理」の衝突/主君としての器量を問題に
第二章 伊勢宗瑞の伊豆乱入 ――「下剋上の典型」とは言いがたい名誉回復行為だった 書き換えられた「北条早雲」像/今川家の家督をめぐる内乱/茶々丸のクーデター
第三章 朝倉孝影と尼子経久の困難 ――守護家の重臣が主家から自立し、実力で戦国大名化した 朝倉孝景と斯波家/越前国主としての確立へ/尼子経久と京極家/出雲の有力国衆を服属
第四章 長尾為景・景虎(上杉謙信)の幸運 ――頓挫もした親子二代での下剋上には、幸運が重なっていた 上杉定実の擁立/最初の大きな危機/家督を晴景に譲る/晴景から景虎へ/景虎の思わぬ幸い
第五章 斎藤利政(道三)の苛烈 ――強引な手法で四段階の身上がりを経た、戦国最大の下剋上 暗殺、毒殺、騙し討ち/十七年かけて戦国大名へ/嫡男義龍との抗争へ
第六章 陶晴賢の無念 ――取って代わる意図はなかったのに、なぜ主君を殺したのか 西国最大の下剋上/主従関係の切断/隆房のクーデター/思わぬ戦死
第七章 三好長慶の挑戦 ――将軍を追放して「天下」を統治し、朝廷も依存するように 戦国大名と幕府との関係が問題に/足利義晴と細川晴元の和睦/細川家からの自立/将軍の反撃とそれへの妥協
第八章 織田信長から秀吉・家康へ ――下剋上の連続により、名実ともに「天下人」の地位を確立 将軍足利義昭の追放/独力で「天下」統治へ/羽柴秀吉の下剋上/徳川家康の下剋上/最後の下剋上
おわりに 下剋上の終焉へ 「上剋下」の事例/封じ込められた下剋上
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