★☆★ 第74回読売文学賞 研究・翻訳賞受賞作 ☆★☆
フランス啓蒙思想の金字塔『百科全書』。全28巻に及ぶ、この壮大な出版プロジェクトの全貌と、編集長ディドロの八面六臂の活躍を、精緻で生き生きとした分析により描き出す大著。
【目次】
はじめに
第一章 『百科全書』前史 1 分類すること 2 古代からルネサンスの分類 3 一七世紀から一八世紀へ 4 一八世紀の分類と辞書・事典類 5 技芸アカデミー協会
第二章 『百科全書』刊行史 1 最初期の歴史 2 刊行開始とプラド事件 3 最初の禁止と宗教界 4 大危機まで 5 地上と地下の二重生活 6 『百科全書』のその後
第三章 編集者ディドロの生涯 1 ディドロの青春 2 『百科全書』企画への参加と刊行準備 3 『百科全書』刊行に伴う反響と契約問題 4 苦闘するディドロ 5 一七六〇年代 6 一七七〇年代 7 晩年のディドロ
第四章 商業出版企画としての『百科全書』 1 文化統制システム 2 検閲制度 3 『百科全書』の書籍商たち 4 商業出版企画としての『百科全書』 5 ボワジェルマン事件 6 ダヴィッドとディドロの出版論
第五章 『百科全書』編集作業の現場 1 百科事典の「編集者」とはなにか? 2 ディドロたちの編集構想 3 『百科全書』編集作業の実態 4 編集者たちの個人執筆協力 5 剽窃、コピー、借用の美学
第六章 「結社」の仲間さまざま 1 「前言」について 2 執筆協力者の実体 3 執筆者の起用と報酬
第七章 協力者の思想と編集長の思想 1 「結社」集団の宗旨と宗教観 2 百科全書派の政治思想 3 『百科全書』の検閲問題 4 ディドロの『百科全書』批判 5 ディドロの「集合」哲学と執筆協力者集団
第八章 図版の世界 1 図版へのこだわりと図版刊行企画の変遷 2 図版のイメージ解読
第九章 身体知のなかの図版 1 身体知の表象としての図版 2 没入する人物たち 3 働く人びと 4 「造船工場」図版を読む 5 ヴェルネ散歩 6 「結社」の面影――造船工場とヴェルネ海景の人びと
あとがき
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