藤沢周平の代表的時代連作集「立花登」シリーズ全4巻の最終巻。
医者になる夢を叶えるべく江戸に出た登を迎えたのは、はやらない町医者の叔父と、口うるさい叔母、驕慢な娘ちえ。居候としてこき使われながらも、叔父の代診や小伝馬町の牢医者の仕事を黙々とこなしている。 死病に憑かれた下駄職人の彦蔵が「30年前に子供をさらった」と告白する。その時子供を2人殺したという相棒によく似た男を、登は牢で知っていた――。
起倒流柔術の妙技とあざやかな推理で、若き青年医師が、獄舎にもちこまれるさまざまな事件を解いていく。
『人間の檻』には、「戻って来た罪」「見張り」「待ち伏せ」「影の男」「女の部屋」「別れゆく季節」の6篇を収録。医師としての理想を模索しつつ、難事に挑む登の姿が胸を打つ完結篇。
解説・新見正則(医師)
82年に中井貴一主演で連続ドラマ化。そして2016年春に溝端淳平主演で、NHK BSプレミアムにて連続ドラマ化。
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