壊滅的で取り返しのつかない大惨事にどう対峙すべきか。リスク認知の心理学をふまえつつ、予防原則と費用便益分析を緩やかに両立させた法学/経済学の成果。 本書の目標は3つ。まず、最悪のシナリオに対して人間の心理はどのように振る舞いがちなのかを分析する。特に過剰反応と完全な無視という極端に振れる心理傾向がリスクへの対処にどのように影響するのかを論じる。第2に、個人と政府は最悪のシナリオについてどうしたらより賢明に考えられるかを、予防原則を精緻化しながら検討する。第3に巨大リスクにおける費用便益分析の可能性と限界を追求する。 大惨事のリスクを社会がどのように直視すべきかについて多様な論点を提示してくれる、法学と経済学の成果。粘り強い考察。
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