「お地蔵さんの顔が赤くなると嵐がくる」という言い伝えを知った意地悪ぎつねのゴロべ。さっそくお地蔵さんにいたずらすると…。
このお話は、コンタとコンコの2匹の狐が仲良く遊んでいると意地悪狐ゴロベが、2匹にいたずらをします。それでも懲りずに、コンタを困らせようとします。お地蔵さんの顔が赤くなると嵐が来るとの言い伝えがあります。ゴロベが、お地蔵さんの顔を赤く塗ったのを知らないコンタは、みんなに知らせに行くと、本当に嵐が来てしまいます。この類の話は、だいたいの物が意地悪な者を退治しておしまいです。でも、このお話は、避難場所にゴロベがいない事に気づくと、誰かが「あんなやつ、いなくなりゃあ、みんなよろこぶよ」と言うと爺さん狐が「誰だって、いなくなっていいことなんて、ないはずじゃ。・・・」と諭し、爺さん狐とコンタがゴロベを捜しに行くのです。読み聞かせている親も、聞いている子も意地悪ゴロベなんか・・・。と思っている所に爺さん狐の言葉は、胸にグッサと刺さりました。ゴロベもあんなになりたくて成っているのではなく、人間に両親を鉄砲で殺されて、ずっと、一人ぼっちだったからなんだと解ると、ゴロベを憎めなくなりました。ゴロベが助かっていた事が分かると良かったーあと思ました。こんな時代だからこそ多くの人に読んでもらいたいと思った本です。 (ぷちどりーむさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
|