「わたしは きめた」
自由がもたらす恵みをしっかりにぎって、手ばなさないようにすることを。 二どと戦争を、ひきおこさないようにすることを。 平和をあいすることを。
やわらかい言葉の中に凛とした決意の気持ちを感じ、思わず引きこまれていき、するするっと最後まで読んでしまう文章。これは、詩人の白井明大さんが日本国憲法の前文を詩に訳したもの。だれもが自由で、健やかで、文化的に生きられる国にしよう、戦争をしない平和な国を築くんだ、という理想や決意、誓いや希望に満ちあふれている日本国憲法の前文を、長く残せる形に、そして子どもたちの手にもわたる形にしたいという思いがつながり、この絵本が誕生しました。
画家であり絵本作家の阿部海太さんが描く、美しいひかりの中の世界にたたずむ子どもたちの眼差しや、のびのびと過ごす生きものたちの姿、輝かしくもどこかつかみどころのない風景。それらを眺めているうちに、どこかひとごとのように感じていたかもしれない自分に、理想を目指すことの大切さを、決意した道を歩んでいくことの尊さを、改めて突きつけられたような気持ちにもなるのです。
「わたし」はあなたであり、「あなた」はわたしであり。だれもが自分自身に誇りを持ち、だれもが大切にされる権利がある。ひとりひとりの人間を大事にする精神の上に成り立っている、日本国憲法。
巻末には白井明大さんによる解説が、QRコードからは絵本の朗読を聞くことができます。子どもたちに長く読み継がれることになっていくであろう、この絵本。大人の心にも、しっかりと響いていくのではないでしょうか。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
この絵本の言葉は、日本国憲法の前文という、はじめのあいさつを詩に訳したものです。だれもが自由で、健やかで、文化的に生きられる国にしよう、戦争をしない平和な国を築くんだ、という理想や決意、誓いや希望が、前文には満ちあふれています(解説より)。 日本国憲法の前文を、やさしい詩のことばで、一人ひとりの「わたし」に、「あなた」に、伝える絵本。本書に掲載の二次元コードから、絵本の朗読を聞くことができます。
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