農場に暮らす、ちいさなおんどり。姿も、ほかのにわとりと違うし、自分の世界をもっていて、とても個性的。にわとり仲間からはいじわるされますが、たとえば、馬とは、とても仲良し。そんな、ある日、農場から、にわとりが産んだたまごが盗まれます。そこで、農場の動物達は、夜の見張りをたてることにしました。 ちいさなおんどりは、見張りをかってでますがおんどりのたいしょうに、「ちいさすぎる」と言われます。居場所を失ったちいさなおんどりは農場をあとにしますが、でも、「ぼくはぼくで、じぶんにできることをすればいいんだ」と思い直し、農場へもどります。その夜、農場に忍び込んだきつねを見つけ農場の仲間に知らせたのは、ちいさなおんどりでした。次の朝、たいしょうから一緒にときをつくるよう告げられたちいさなおんどりは、誇らしげにときの声をあげるのでした。 子どもたちへメッセージがダイレクトに表現された絵本です。読んでもらう子どもたちは、必ずしも反応を表に出さないかもしれません。けれど、子どもの心に静かに伝わり、自分自身で何かを解決したいとき、勇気をもらいたいとき、きっと彼らの心の支えになることでしょう。
息子が図書館で借りてきました。
最初、絵が、赤、緑、黒、白の四色のみしか使われていないので、非常に地味な感じを受けました。
農家に生まれた小さなおんどり。一人だけ小さいので、「みにくいあひるのこ」的な展開なのかな?と予測しました。
ちいさいために、夜の見張り番からはずされてしまったおんどり。一旦は農場を出ようとしますが、「農場にいて、できなかったとこは、世のなかにでても、できるわけないんだ」と思い直し、「じぶんにできることを すればいいんだ」と言います。
外に出て自分を変えていくというのも一つの勇気だと思いますが、
踏み止まって、自分ができることをするというのも、勇気ある決断だと思い、素敵だと思いました。
絵本ですが、文章量もあり、小学校中学年ぐらいになってからの方が、伝わるものが多いかなと思いました。
さて、おんどりがした「じぶんにできること」とは?
学校生活や社会に出て、困った時、環境を変えることができなくても、自分の考えを軌道修正して、工夫して生きていくことは大切。
今は、きれいで目をひく本が多いので、地味めなこの本は敬遠されてしまうかもしれませんが、大切なことがしっかりと描かれていると思いました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子6歳)
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