天地創造神話から、『王書』に登場する霊鳥スィームルグや英雄ロスタムの伝説までをやさしく語る。ペルシャ文学の第一人者による入門書。解説 沓掛良彦
=== ゾロアスター教や古代ペルシャの伝承、そしていまなおイランの人びとがそらんじる叙事詩『王書』をもとに、ペルシャ神話の主要な登場人物・名場面を紹介する。善神アフラ・マズダーと悪神アハリマンが競い合う二元論的世界観、蛇王ザッハークの悪政、霊鳥スィームルグに育てられた白髪の子ザール、700年生きた英雄ロスタムの栄光と悲劇……。アラブ、ギリシャ、トルコの多種多様な民族が混淆するイランの地に生まれたペルシャ神話は、「めぐる天輪」によりもたらされる幸不幸、人の世の儚さや運命の惨さへの嘆きに満ちている。ペルシャ文学研究の第一人者がやさしく物語る入門書。 ===
「めぐる天輪」が支配する嘆きの世界 ペルシャ文学の第一人者が語る入門書
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【目次】 はじめに イラン人の心を読む
T 天地創造の神話 宇宙のはじまり 天地創造の時代 光と闇の戦い
U 国造りの神話 カユーマルスからジャムシード王まで ジャムシード王のうぬぼれ 蛇の王ザッハーク
V 邪悪の蛇王 ザッハークの夢 ファリードゥーンの誕生 かじ屋のカーヴェ 牛頭の矛 ザッハークとの戦い
W 善き王ファリードゥーン ファリードゥーン王 三人の王子 イエメン王の婿選び 国分け 兄弟のいさかい 非業の死 イーラジの孫マヌーチェフル 復讐 老王の悲しみ
X 英雄時代 一 霊鳥に育てられた幼な児 二 英雄の恋 三 ロスタム武勇伝 四 父と子の戦い
おわりに 文庫版あとがき 解説 ペルシャ神話の多彩な世界(沓掛良彦)
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