蓮の花を咲かせる泥になりたい―― 日本を代表するNGO「公益社団法人シャンティ国際ボランティア会」の創設者、有馬実成――。若いころから民衆と共に歩む宗教家を志し、差別や貧困に向き合い、つねに弱き人々の味方となった人である。地域に根ざした文化活動、在日韓国・朝鮮人の遺骨返還運動に始まり、1980年からはインドシナ難民支援、アジアの教育・文化支援に取り組んだ。その道のりは<けものみち>を切り拓く日本NGOの開拓者の姿に他ならなかった。鎌倉時代の叡尊や忍性の影響を受け、教団仏教の枠を超えた新しい仏教のかたちを示した僧侶、有馬実成の生涯を描く。
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