今日はバレエの発表会。お客さんでいっぱいだ。
音をはずしたらどうしよう。 ふりつけを間違えたらどうしよう。 高くとべなかったらどうしよう。
いよいよ、ぼくの出番。すると、ぼくの心の声がじゃまをする。うまくやろうとしているのに、不安な気持ちを指摘する。高くとぶのはこわいんだ。だって……。
主役はバレエを習う男の子。一生懸命練習はしたけれど、舞台に立つ時は緊張と不安で押しつぶされそう。けれど、その中で思い出すのは、バレエをはじめた頃のこと。バレエを続けてきた理由。そして優雅にとぶ自分の姿!
等身大な男の子の悩みや葛藤を丁寧に描くこの絵本。何かに打ち込む子どもたちにくり返し訪れるのは、くじけそうな心と乗り越えなければならない勇気。ご自身にもバレエを習っている息子さんがいらっしゃるという作者のイシズマサシさん。応援する気持ちと舞台への拍手を描きたいという思いが、気持ちのこもった画面全体から伝わってきます。
「みんなに とどけ この ゆうき!」
何かに打ち込む全ての子どもたちに。そして応援している大人たちにも。贈りたくなる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
今日はバレエの発表会。 音をはずしたらどうしよう。ふりつけを間違えたらどうしよう。 高くとべなかったらどうしよう。
等身大な男の子が抱える、悩みや葛藤。 それでもバレエを目指す気持ちをありありと表現したバレエの絵本。 バレエをしたい理由、バレエにかける想いが詰まっています。
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