──僕が選んだのは、寮付きの森のフリースクール──
中2の初夏、僕=氷川薫はある出来事から生活が手につかなくなり、学校に行けなくなってしまった。 家からも離れたくて、自分で見つけた寮付きのフリースクールに行くことに決めた。
東京奥深くの森の中にあるスクールには、大人が数名と、小5から中3までの子どもが十数人。身の回りのことは自分で行い、時間割はなく、なにをしても自由。ゲームをしてもいいし、勉強するのも自分次第。 勉強しろと言われないことにやや不安を感じながらも、薫は同い年の二人と仲を深めながらゆっくりとした時間を過ごし、静かに自分の心に向き合う。そして、ずっと気がかりだったことを告げるために、ある人に会いに行く。
自分の好きなことを見つけた薫は、前に一歩を踏み出す。 学校に行かなくても、不安にならなくていいし、学校を通らない道もちゃんと未来につながっている。
装画:くりたゆき
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