お庭でかたつむりを見つけたまーくん。ママに見せようと思ったのに、ママは妹とお昼寝中。いくら呼んでも「うーん」と言ったきり。
「ママなんか きらい」
すねてしまったまーくんが一人でお庭にすわっていると、ぽつんぽつん、サァーと雨が降ってきた! まーくんはパパの大きな傘を持ってきて……。
なんでもないような、でもまーくんにとっては長い午後。妹にかまってばかりで相手にしてくれないママ、大きな傘の下で一人雨の音を聞くまーくん、そのうちにザーザー降りになってくると、いつの間にか横にママ。天気の移り変わりと一緒にまーくんの気持ちも揺れ動きます。色鉛筆で丁寧に描かれたお庭の木々や花壇、雨に濡れてしっとりと輝き出すあじさいの花に小さなかたつむり。そんな風景が優しくまーくんを包み込みます。
「ねえ、ママ」
やがて雨もやんできて、二人ともにっこり。 よかったね、まーくん。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
まーくんはお庭で見つけた「かたつむり」をママと一緒に見ようと、妹とお昼寝中のママを呼びます。 でもママは「うーん」と生返事。 「ママなんかきらい」と拗ねてしまったまーくん。 すると、ポツン、ポツンと雨が降ってきて…
弟や妹にかまってばかりで寂しい思いをしたお兄ちゃんやお姉ちゃんの気持ちに共感できる一冊です。
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