今日ぼくは、おばあちゃんに会いに行く。おみやげはお母さんが持たせてくれたクッキー。
「まもなく でんしゃが まいりまーす」
おばあちゃんの家はすぐ隣の駅だけど、ぼくにとってはちょっとした冒険。電車に乗ると、クッキー缶の中身が気になって、ふたを開けようとすると、すぽ〜んと缶が飛んでいった! 大変だ。コンコロコーンと転がっていく缶を追いかけて、隣の車両に飛び込むと……そこはジャングルだった!?
氷の世界に工場や宇宙、海底におばけ達。クッキー缶を追いかけて車両を移るたび、そこにはとんでもない光景が広がっているのです。氷で尻もちをついたり、ふわ〜っと浮いたり、いいにおいに誘われていったり。あれれ、でもなんだか楽しそう! 見慣れた電車の中の景色を一気ににぎやかでワクワクする世界に変えてしまったのは、細かな描き込みや独特な作品世界が人気の澤野秋文さん。大変だけど愉快な時間をたっぷり味わえるお話になっています。
さて、「ぼく」は無事にクッキー缶をおばあちゃんに渡せたのかな。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
お土産を持っていくのは、とっても大変! 不思議で楽しい澤野秋文の絵本 絵探しも楽しめる細やかに描きこまれた画面! クッキー缶はどこ?
ぼくはおばあちゃんに会うために電車に乗った。 お母さんが持たせてくれたお土産のクッキー缶、どんなものが入っているんだろう。
ふたを開けようとしたとたん、手からすべってコンコロコーン。缶が隣の車両に転がっていった。ぼくが追いかけていくと、なんとそこはジャングルだった!
電車には、宇宙の車両、海底の車両、お化けの車両……、不思議な車両ばかり。 そして夜店屋台の車両では、クッキーの缶が今にも開けられそうで……。
担当編集者より 澤野さんは、根っからのアーティスト。絵を描くのに疲れたら、アトリエにある端材で造形物を作って気分転換するような方です。絵本の画面からは、楽しさがあふれ出していますので、ぜひ手に取ってみて下さい!
タイトルの「ナンデコンナ」とは何だろうと思い、読んでみました。電車にのって、おばあちゃんにクッキー缶を届けに行く男の子。まさか、電車のなかで、こんな冒険がはじまるとは! 細かく描きこまれた絵がたのしくて、ページをめくるたびにわくわくしました。想像がひろがるような、楽しい絵本でした。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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