モーツァルトはその短い生涯のほぼ3分の1を旅に費やした。職探しの旅とされる「マンハイム=パリ旅行」(1777年9月23日〜1779年1月15日)は、そのなかでも重要な旅のひとつで、初めて父親が息子に同伴しなかった旅でもあった。本書は、この旅の際にレオポルトとヴォルフガング父子が交わした往復書簡のなかから、父子の興味深い関係を窺い知ることができる手紙を厳選し、両者の掛け合いに主軸を置いて「会話性」を持たせたもので、父子による「デュオドラマ(2人だけの対話劇)」の魅力を伝える書簡集となっている。モーツァルト・ファンだけでなく、すべての音楽ファン必携の一冊。
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