人が「育つ」「学ぶ」「生きる」ということを,これほどまでに直接的に扱う実践的学問は,「保育・幼児教育」をおいて他にないだろう。またそこに「哲学」がないはずはない。本書では,育児,保育・教育について熟考を重ねてきた著者の多彩な論考から,保育の実践知を言語化するために必要となる〈実践に埋め込まれた哲学〉を掘り起こす。
【主な目次】 序 章 生命の教育学 ●第I部 世界の奥行きが、人間に火をつける 葛藤の中で、間違えながら、人は育つ 第1章 自然・生活・学びをめぐって――和光の保育に触発されて考えたこと 第2章 「主体的・対話的で深い学び」をキーワードに 第3章 日常生活と民主主義と教育をつなぐ理論――エリクソンの人間論 第3章 補論「第II期」からの「学び」――エリクソンと矢野智司 ●第II部 世界が動き、人が試みるとき、そこに学びが生まれる 第4章 乳幼児の学びの理論としてのドゥルーズ/ガタリ理論 第5章 遊びの語り方を変えよう――中動態としての遊び 第6章 感覚が湧き出ちゃうし、収まっちゃうときの主体性――保育者と語る中動態と主体性 第7章 「ちがう」「かかわる」「かわる」に込められた教育思想――教育学を生命の科学につなぐ 終 章 倫理・手のひら・民主主義
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