ベッドの上。お父さんは読みかけの絵本を手に持ったまま寝てしまった。ぼくは頭を横向きにして、お父さんの顔をじっくり見る。大きな鼻からいびきが聞こえ、ぼくは上を見る。天井にはへんなしみ。それからぼくは下を向き……。
眠れない夜、ぼくの身に起こる不思議なできごと。それは、少しずつ、いや唐突に、いつのまにか。景色も感覚もちょっとずつおかしなことになり、気がつけば、頭の中がへんてこになっているのです。
横向きになった窓辺にすわり、四角になったぼくを迎えてくれた三角はなんと!?
まくらに顔はしずみ、風は下から吹き、お父さんの鼻はさんぽをする。100%ORANGE・及川賢治が贈る、おやすみ絵本。そこでは、「なんとなく」「すごいこと」が起きている!
2023年11月に発売となった、オムニバス絵本雑誌「さがるまーた」のとじこみ付録として話題となった作品が、待望の書籍化! ページを開けば正方形になる、一風変わった装丁も含めてお楽しみください。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「さんかく と しかく と まる が そろうと すごいことが なんとなく おこっているのです!」 100%ORANGE・及川賢治が贈る、“なんとなく” すごい絵本!?
夜、眠れない「ぼく」の前に現れたのは……
読みながら、だんだん頭がへんてこになる。へんになるのに、面白い。へんになるから、面白い! 新しさと懐かしさを同時に詰め込んだ、誰もがきっと経験のある、眠れない夜の不思議な体験。 おやすみ前の読み聞かせにもぴったりな、どこまでもユーモラスな一冊です。
絵本雑誌「さがるまーたVol.1」掲載作品を、厚みのある、格好いい装丁で単行本化!
及川さんと、絵本編集者・土井章史さんによる「おはよう」制作秘話、創作の秘密に迫る特別対談記事↓
じぶんだけの「絵本」の作り方 https://cocreco.kodansha.co.jp/genki/news/genki-news/SRvEo
「絵本作りの魅力」を解剖! https://cocreco.kodansha.co.jp/genki/news/genki-news/SOxLo
●及川賢治(おいかわ・けんじ) 1975年千葉県生まれ。1990年代半ばから竹内繭子とのユニット、100%ORANGEとして活動を開始。イラスト、絵本、漫画など幅広く活躍中。『よしおくんが ぎゅうにゅうを こびしてしまった おはなし』(竹内繭子と共著/岩崎書店)で第13回日本絵本賞大賞受賞。絵本の作品に『まるさんかくぞう』『ねこのセーター』(ともに文溪堂)、『エルメスのえほん おさんぽステッチ』(講談社)など多数。
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