「ホタル博士」と親しまれている、板橋区ホタル飼育施設長の阿部宣男さん。実は子どものころ、「ご先祖さまの魂だ」と祖母から教えられたホタルが、大きらいでした。それがどうして、ホタルの研究で博士号を取るまでになったのでしょうか。高校時代は暴走族で、大学中退。それでも、生き物への深い愛情だけは、だれにも負けなかったという阿部さんの、情熱の半生を描きます。
板橋ホタル飼育施設は、ホタルが見られる都会の名所として知られています。施設長の阿部さんのお話をうかがってみると、子どものころはホタル嫌いで、高校時代は暴走族、そして大学は文学部でしかも中退と、一般的な「ホタル博士」のイメージとは違っていました。ただ、小さいころから昆虫や魚が大好きで、どんなときでも、飼っている生き物の世話をおこたることはなかったのだそうです。ですから本書は、いわゆる偉人伝とは少し違います。失敗や挫折も多い中で、生き物への愛情に突き動かされてきた阿部さんの生き方は勇気をくれます。 生き物が好きな子どもたちに、ぜひ読んでいただきたい一冊です。 (佼成出版社HP「編集者から」より)
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