象を見ると幼い子どもは「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね」と口ずさみます。 子どもも大人も歌詞には注意を払いません。でも、詩として文字を読んでみると、スゴイ詩だ、と判ります。 象さんの子どもは、鼻が長いことを誇りに思っているのです。だって、大好きな母さんの鼻だって長いのですから。 「くまさん」もそうです。水に映った自分の顔を見て、「そうだ ぼくは くまだった よかったな」となります。 自分が自分であってよかった、という認識は、人が生きていく上で、なにより大事です。 象さんも熊さんも、人も木も空も石ころも、みんな自分に生まれてきてよかったのですね。 そう歌いつづけるまどさんは、子どもだけが読者の童謡詩人ではありません。やさしい子どもの言葉で語っていると 見せかけて、こんな根源的な真実を語りつづけるまどさんの、本格的なアンソロジーが、「くまさん」なのです。
「ぞうさん」をはじめとする、馴染みのある詩をたくさん書かれているまどみちおさんの詩集です。
優しさと気品に溢れ、物事の本質を語るまどさんの詩は、大人にも響くと思います。
まどさんの詩を読むたびに、言葉は大切に使わないとなと思います。
この詩集は、家に置いて、折に触れて手に取りたい本です。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子13歳、男の子10歳)
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