ある日ぼくは、ふしぎなコックさんに出会ったんだ。 おばあさんとふたり暮らしの少年・シゲオが遭遇した人物には、たくさんの秘密がありました。
背はシゲオと同じぐらい。顔も子どもっぽい。その人が素足に下駄をはき、頭には自分のからだほどもある高い、高いコック帽をかぶっているのです。――(本文より)
小学校中学年向きの児童書です。
その明るい表紙絵に思わず手が出て、図書館で借りてきました。
とっても素敵な「子どものためのレストラン」の話でした。
読んでいると、世界の色々な料理のことがわかります。
料理に興味のある子には、とってもお薦めです。
出だしは明るく楽しく、ファンタジックな仕掛けがあって、ワクワクしながら読みました。
ラストは、この「小さなコックさん」の正体がわかり、ちょっぴりしんみしりてしまいました。
戦争時代のことも織り込まれているのですが、
「戦争を知らない子どもたち(もちろん今の子育て世代の親たちも戦争のことは体験として知りませんが)」に、無理なく物語が伝わってくれる素敵な話だと思いました。
ただ、図書室や図書館に置いてあるだけでは、こういう素敵な本は埋もれてしまうことが多いので、ぜひ、ブックトークなどで、紹介していきたいと思います。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子14歳、女の子9歳)
|