童謡「ぞうさん」の詩人100歳の記念詩集。
童謡「ぞうさん」「一年生になったら」などで知られる、まど・みちおさんは、日本で唯一「国際アンデルセン賞作家賞」を受賞した詩人。1992年に、美智子皇后が選・訳をされた詩集絵本「THE ANIMALS」が日米同時刊行されて、一躍「国民的詩人」としての名を高めました。 その、まどさんが2009年11月16日に100歳を迎えます。ながく童謡・詩を発表してきた詩人が、時にはユーモアを交え、時には世界を鋭く斬りながら、老境の感慨をうたいあげました。絵も得意とするまどさんの、最新の素描も収録。カバー装画も著者の手によるものです。
療養中の詩人が日記帳に書きためた
言葉(詩)の集まり…
作者が何歳だろうが関係ない
作品に向き合えばいいのだとは思う
でも 100歳となれば別だ
それが幼児期からだれもが口ずさむ
童謡の作者だったら なおさらだ…
アンチエイジングが話題になる現代…
見かけは相応の歳格好でも
療養中の身であっても
世の中の動きに関心を持ち
心を震わせることのできる若々しさを
やっぱり見習いたいと思ってしまう
ぼくも まだまだ 前にすすまなければ
大休みのなかから うまれてきて
小休みに 中休みをまぜてやりつづけ
さいごにまた 大休みにかえっていく
という かれんないきかたを
かみさまが させてくださってるのだ
これは収録されている「休みずき」の一節だ
104歳の天寿を全うし、
現役のまま作者は大休みに入った…
まど・みちお作品からは反骨とユーモアの
バランスを強く感じるのだが、それはまた別な話… (楽葉さん 60代・じいじ・ばあば )
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