茨木さんが好きな詩人の一人が山之口貘さんです。 貘さんの娘さんミミコさん(詩のなかにも登場します)と茨木さんとは仲よしです。 この本ができた時には編者もお祝いの席にご一緒しました。 今はあまり流行らなくなりましたが、貘さんは生まれてから死ぬまで貧乏でした。どんな貧乏かというと
米粒ひとつも はいっていないの だから胃袋が怒りで いっぱいなのだ (「胃」より)
でも貘さんは貧しさに屈伏せず、飄々と、むしろ貧乏を楽しく生き抜いた人だったのです。 ですから、つむぎ出された詩は、おどろくほどの気品にみちています。
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