この絵本は、たったひとりの女性の勇気と決断が、汚れた川を生き返らせた感動の物語です。 絵本の始まりは、見開き頁に描かれたアメリカのマサチューセッツ州を流れるナシア川の俯瞰図です。 美しい森の中を青いナシア川の清流が蛇行して流れています。中ほどに、またナシア川の俯瞰図が描かれます。 産業革命が起こり、工場群が川辺に乱立し、川の水は赤や紫に汚れ、森は工場から出る煤煙で、うす汚れています。 そして最後の頁はもう一度ナシア川の俯瞰図です。工場から排出される水は浄化され、青く澄み元気よく流れています。 家もたくさん建ち、工場の煙突から立ちのぼる煙は、薄い白色で、これなら人体に悪影響はなさそうです。 この絵には、大自然と共生を果たした人間の文明の和の美しさがあります。 家も木も自動車も馬も、ひとつひとつが生命ある生き物のようです。作者の筆も踊っています。 川を汚すのは人間です。でも、汚れた川を生き返らせるのも人間の力です。僕たちが住んでいる地球は、 広大な宇宙の太陽系第三惑星と呼ばれる青い星 ― 美しい楽園です。21世紀に生きる人間に課せられた仕事は、 この青い星、地球を、1000年先の子孫に引き継ぐことです。 一冊の絵本が一本の川の浄化に連なることを祈って編者はこの絵本を日本で出版しました。初版は1996年です。 現在2刷で8000冊です。ちなみにアメリカでは、25万冊の大ベストセラーでした。
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