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優しく導くような言葉を紡ぎだす岸田衿子の作品から選び抜かれた51編。「だれもいそがない村」「りんごの木」などを収録。
卒業に贈る詩を探して、いろいろな方の詩集を読み始めました。
『パタポン』を再び読み返して、そういえば岸田衿子さんの詩もと思い、岸田さんの詩を読み始めてみることに。
岸田さんは、群馬県の浅間山麓に住まわれていたそうです。絵本を読んでいた時に「野イチゴ」が出てくるものが多かったのはそんなわけだったんですね。
私は特に都会に住んでいるというわけではないですが、インターネットもも普及して、情報の流れはさらに加速化している気がします。
自然の中で過ごすというのは、歩くスピードで時が流れていくようなもの。
岸田さんの詩集を開くと、自然の中に自分が身を置いているような気持ちになります。
「南の絵本」の「いそがなくていいんだよ」というフレーズ、「たいせちな一日」ではふと途中下車して自然の時間の流れを感じてみたくなるような思いにかられました。
物の感じ方、言葉での表現の仕方、ああこんな風に、こんな表現で切り取るんだと、自分にはできないことなので、「ああやられた」という思いがしました。
でも、そのやられたという思いも、何だか心地よいやられたという気分で、生活の中で心の中に降り積もってしまったものを一掃してくれるようなそんな気持ちよさがありました。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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