雨上がりの午後、つきこはクラスのともだちと神社へ遊びに行きます。そこで出会ったのはへんてこなお面ばかりを売っているお面屋さん。つきこが気に入ったきつねのお面をかぶってみると・・・。怖くてちょっぴり温かい、不思議な物語が始まります。 子ども達は結構怖い話や妖怪が大好き。のっぺらぼうに、ろくろっくび、かさこぞうに、ぬらりひょん・・・御馴染みの妖怪がたくさん登場する場面にきっと大喜びするはず。おまけに、たんじあきこさんの描く妖怪は愛嬌たっぷり!すぐにでも友達になれそうな風貌に、どんどん想像がふくらんでいきそうです。 でもこの物語の怖さというのは、もっとずっとさり気ないところにあるのです。もし、ふとした瞬間に「もののけの国」に迷いこんでしまったら。もし、自分の世界に戻れる方法が閉ざされてしまったら・・・。日常のすぐ隣にひそむ別の世界の存在。その辺りがきちんと描かれており、実際に起こりそうな気すらしてくるのです。そしてところどころに挟まれたいくつかの印象的な場面が、実はそのちょっとした恐怖心を効果的に盛り上げているのです。読んだ後、とても楽しかったけど何だか心にひっかかる・・・昔ながらの怪談話の王道をいっているのかもしれませんね。 作家もとしたいづみさんと画家たんじあきこさんがお互いの持つイメージを大切にしながら作り上げられたというこの作品。是非親子でお楽しみください!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
きつねのおめんで「めかくしおに」をしたつきこは、おめんをかぶったとたん、 もののけの国に迷いこんでしましました。つきこは無事にもどることができるのでしょうか。 こわくて、たのしくて、ちょっぴりあたたかいお話。
このお話はなんか神隠し的な要素がありました。絵がかわいかったのでそんなに怖くなかったのですが、かわいくない絵だったらちょっと怖く感じたかもしれません。もののけ達の世界がうちの子にはかわいく見えていたらしく、行きたがっていました。 (イカリサンカクさん 20代・ママ 男の子4歳)
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