ジプシーって、実はどんな人たちのことを指すのか、微妙だな〜と、思って、「言泉」で調べてみました。
いわゆる流浪の民なのですが、その故郷はインドと考えられているそうです。
確かに、浅黒い肌に黒い眼、舞踊とうらないが得意。というイメージはありましたが、原点がインドとは!
何となくヨーロッパかアラブ諸国の人種かと思っていました。
そんなジプシーたちの昔話をなぜ、ロシア文学の邦訳で有名な内田さんが訳したんだろう?と、思ったら、
再話編集したのが、ワルシャワ生まれの有名なジプシー学者が、
元の本を書かれていたからなんですね。
1冊の本から、なんだか不思議な縁や歴史を感じることができてうれしいです。
さて、内容ですが、これがまたスペインの昔話にも似ているし、北欧の昔話にも似ています。でも、主人公たちは当然「ジプシー」なのです。
この本には、表題作の「きりの国の王女」のほかに、
「ひつじかいのバクレングロ」「雨ごいの名人」「七人の兄弟と悪魔」「魔法の小鳥」「すてられた子どもたち」「悪魔をだましたジプシー」「太陽の王の三本の金髪」「魔法の箱」「ヒキガエルとまずしいやもめ」が載っています。
「すてられた子どもたち」はグリムの「お菓子の家」とお話が似てました。
「太陽の王の三本の金髪」はヨーロッパ各地に同類の昔話があります。
そして、どの話も面白いです!
個人的に面白いなと思ったのは「悪魔をだましたジプシー」と「ヒキガエルとまずしいやもめ」でした。
とても古い本なので、図書館とかでないとお目にかかれそうもありませんし、あまりにも古くて、今どきの子は特別な興味がなければ、
まず手にしなさそうな作品です。
ですが、それぞれのお話は時代を超えて面白く、ユーモアやロマンがあふれています。
機会があったら、ブックトークや語りなどで、子どもたちに紹介したいです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子10歳)
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