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近松門左衛門原作「国性爺合戦」は、日本と中国を舞台にした物語。自他ともに認める歌舞伎通の作家と画家が、心をこめて、絵本にまとめました。
この物語は舞台のほとんどが中国大陸で起きた出来事になっています。なので、ほかの歌舞伎の話とはちょっと異色な感じのスケールの大きいお話です。
主人公の国性爺(和藤内)は実在の人物で、実際日本人と中国人とのハーフだったそうです。
そして、この物語で描かれている通り、中国の明王朝の王族の危機に、中国の元官吏(大信だった)父と日本人の母とたった三人で乗り込んで、当時の明王朝の王族のため戦ったヒーロー物語です。
近松門左衛門が脚本、江戸の庶民に大人気だった演目だそうです。
それを橋本治さんがわかりやす現代語訳をして描き直してくれているので、なお面白くなっています。
とにかくあまりに面白かったので、大学生の娘を捕まえて(娘もあらすじは知っていましたが)一部抜粋して読み聞かせ、2人して大笑い!!
何が面白いって、このお話のキーポイントは「日本人の大和魂を見せてやる」みたいなところなので、
もちろん、主人公の国性爺(和藤内)も、いろいろがんばりますが、
国性爺(和藤内)の母が、要所要所で「日本人は礼節を重んじる」とか、「娘を死なせて、日本人の継母が、そのままでいるはすがないでしょう!」とか言っちゃうんです。そのタイミングと真剣そういうことを言っているからこそ全体を見ると「そこで、それ言う?」とか思えて、笑えました。
読み聞かせには不向きですが、中学生・高校生にならぜひぜひブック・トークでおススメしていきたいシリーズです。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子16歳)
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