家族ってなんだろう。血の繋がらない親子を軸に、家族であること、家族になることを軽やかなタッチで描く中編小説。第7回坊っちゃん文学賞大賞受賞作に書き下ろし1編を加えて単行本化。
『卵の緒』は75pくらいの短編なんだけど登場人物がすごく印象的。
特に母親・君子の育生に対する接し方はとてもイイ。ベタベタに愛情を押し付けたりせずサラリとしている。
でもココ!という時にはちゃんとあふれんばかりの愛情をストレートに示す。
登校拒否の男の子とお茶会をするから育生に学校を休めという母親。
なんだか奇妙だったけどとても暖かい母子の姿がそこにあってほのぼのとした気持ちになった。
一方の『7’s blood』。小学生でありながら色んなしがらみの中で懸命に生きてきた七生の
健気な明るさがとても巧みに表現されていて切なかった。
七生が七子のために用意した誕生日プレゼントの場面にじーんときてしまった。
高学年のお子さんなら共感して読めるかもしれません。
オススメです^^ (さえら♪さん 40代・ママ 女の子8歳)
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