第二次大戦末期のオランダ。ドイツ軍に町を追われた十一歳の少女ノーチェは父親とともに、人里離れた農家にたどり着く。はじめて体験する農家での暮らしに喜びを見いだすノーチェだったが、その平穏な日常を戦争の影が静かに覆っていく。農家のおかみさん、その息子エバート、脱走兵、森に隠れるユダヤ人一家。戦争の冬を懸命に生きる人々の喜びや悲しみが、少女の目を通して細やかにつづられる。オランダの「金の石筆賞」を受賞。
『アウシュヴィッツの図書係』を読んだ時に思った。11冊の本を守るために死を覚悟しながら生きられるのか?と。
『第八森の子どもたち』を読んで思ったのは、ヤンナおばさんのように生きられるのか?ということ。
戦争で住む場所のなくした家族を受け入れ、病気の反戦思想を持つ若者を匿い、森で暮らすユダヤ人の家族へ物資を運ぶ。
戦時中であり、ドイツ兵が滞在する時も淡々と毎日の生活を守る。気負いもなく普通のこととして。
戦時中、記録や歴史に名を残さない人達の中にこうした人たちは少なからずいたのだろう。
こうした名もない人たちの善意を目の当たりにした時に、「人生ってすてたものではない」「人っていいなあ」と思うのだろう。
読み終わった時、心は静寂の中にあった。果たして自分はこんな風に生きられるのだろうか? (はなびやさん 50代・ママ 男の子15歳)
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