14世紀英国でその日暮らしをしていた少女が、自己にめざめ、産婆見習いになるまでを描いた成長物語。96年ニューベリー賞受賞作。
自分の名前も年も知らず堆肥の中で眠る12、3歳の少女が主人公。
産婆見習いとなって自らをアリスと名乗るようになります。
食べるために始めた産婆見習いでありながら、アリスは着々と技術や知識を身につけていくのです。
失敗して逃げ出しても、自分のしたいことを知っているアリス。
同じ作者の『ロジーナのあした』のロジーナのように、明日にむかって自らの人生を切り開こうとするたくましさを感じました。
重たくなってもおかしくないテーマを清々しく書きあげる作者の筆力も感じました。
ひたむきに生きる少女の芯の強さを感じる作品でした。
ニューベリー賞受賞作品。156ページ。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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